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2020.08.21

シーエスレポーターズが取り組むコミュニケーション戦略について

コミュニケーションデザイン室
遠藤 涼介

どうも、えんどうです。

シーエスレポーターズは4月に法人設立から15年(創業は2002年なので丸18年)を迎え、これまでデジタルでのプロモーション支援を事業活動としてきましたが、16年目からは事業活動を再定義しました。

シーエスレポーターズはお付き合いのあるお客さまはもちろん、お客さまのさらに先にいるお客さまとの意思疎通や意見交換に丁寧に取り組むための「戦略」を提示する・できることを前提にサービスを提供させていただこう、と考えています。

以前の記事で(『企業からの一方的な発信は生活者とのコミュニケーションにならない』)、「生活者の顔を見るべき」だと主張しましたが、今回はもう少し具体的な理由について書いていきたいと思います。

その上で、シーエスレポーターズとして何に取り組んでいるのかも説明させていただきますので、どうかお付き合いいただければと思います。

精確さを増すWeb広告

検索連動広告やディスプレイ広告と呼ばれるインターネット広告が出始め、いまや各種SNSでも広告出稿が可能となっています。

FacebookやGoogleといったインターネット企業の中でも最大手となる組織は、とにかく個人情報の宝庫。個人の入力する情報だけでなく、彼らが保有しているのは、アカウントを保持しているユーザーが自社のサービス内における行動まで取得・保持しています。

生活者が一つの検索ワード、たとえば「健康」や「運動」などを検索窓に入力し、WebサイトA(ブログ記事)へ訪問したとします。

記事を閲覧した後に、運動器具などのあるブランドの製品Xが気になったので、検索語句を入れ直し、Bというサイトへ遷移しました。サイトBで製品Xに関する記事を複数閲覧した後に、EC(通販)サイトCへ。

そこで気になっていた製品Xの製品を見て、詳細情報を取得…といったインターネット空間の中における個人の行動履歴を取得することで、その個人に趣味思考や、それに沿った商品やサービスをレコメンド(推薦)したり、関連するであろう広告を掲出させます。

これのおかげで、Web広告はターゲットとする生活者に対して気持ちが悪くなるぐらい精確に広告を掲出できるようになっています。

GoogleやYahoo!における検索連動型広告を皮切りに、バナーで訴求するディスプレイ広告や記事広告なども、年齢や性別、住所、上で触れている興味関心などを基にしたネット上の行動も加味した上でで広告が掲出されるようになっています。

それはSNSでも同様で、特にFacebookでは年齢や性別、趣味嗜好といったことや、それ以外の誰の投稿にどんなアクションをしているのかを踏まえて広告が掲出できるようになっていることから、その精確さは向上するばかりです。

個人情報の保護へ向けて動く世界

広告の取得技術が精確さを増す中、EUを中心に個人情報保護の観点から個人情報の取得について、より厳しく保護するような動きが活発になっています。

インターネットの発達・普及に対し、EU(欧州連合)は1995年から「データ保護指令」を敷くことで個人情報を保護してきました。日本でも2003年から個人情報保護法が制定されたのですが、これに大きな影響を与えた内容となっています。

その目的は「個人が自身の個人データを制御する権利を取り戻すこと」「欧州連動域内の規則を統合することで国際的なビジネスの規制環境を簡潔にすること」であり、健全な生活を担保するためのルールだと言えます。

1995年に制定されたデータ保護指令ですが、現在はGDPR「General Data Production Regulation」へと名称を変更し2018年05月25日から施行されています。(日本語に訳すと「一般データ保護規則」となります。)

GDPRの主な注意点は、これまで個人情報とは認定されていなかったIPアドレスやCookieも個人情報として見なされるようになった点と、個人情報の取得にはユーザーの同意が必要になった点です。

これ以外にも個人情報責任者の任命や、期間についての定めがあるなど、非常に厳しくなってきています。

さらなる注意点として、EU圏内(EU以外の加盟国も含む)の子会社や支店、営業所を有している企業はもちろん、圏内へ商品やサービスを提供している企業や圏内から個人情報の委託を受けている企業も対象となります。

また、出張や旅行などの短期間でも、EU圏内に滞在した日本人のCookieも範囲対象とされますし、EU圏内と何かしら取引があるのであれば注意しなければなりません。

日本国内向けで日本語対応のみのサービス提供であれば問題はなさそうですが、EU圏内からのアクセスも考えられるため、企業は細心の注意を払う必要があります。

(参考)GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)

意見交換や意思疎通といった口コミが重要に

GDPRの動きは、今後も広告の情報取得技術が上がれば上がるほどに法整備や倫理感の高まりから、個人情報を守る方向へ進んでいくのではないでしょうか。

個人情報が保護されればされるほどに、Web広告は現状のような精密なターゲティングをできなくなってきます。

(もちろん、GoogleやFacebookをはじめとしたプラットフォーム側は広告主からの広告出稿は大きな収益源であるため、回避策や異なる広告出稿サービスを出してくることは考えられます。)

確かに精密なターゲティングができるWeb広告は強い味方になり得ますし、使い方をうまくすればビジネスを加速させるための機会を手に入れることだって可能になりますが、あまりにも精密なターゲット設定で繰り返し表示される広告を生活者は嫌ってしまいます

実際、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の調査によるとネット広告に対して「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」という回答が約29~38%(他のメディアは5~16%なのに対して非常に高い)と、精度の高いターゲティングをされることに対して忌避感を抱いている人も一定数いることがわかります。

「2019年インターネット広告に関するユーザー意識調査」 調査結果
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)

必要なのは”言葉の翻訳/ 共通言語の設定”

ここ数年でインフルエンサーマーケティングという言葉も生まれ、SNSをはじめとしたソーシャルメディアの中で「多くのフォロワーを抱える個人」がメディア化したこともあり、明らかに生活者に対しての影響力を持ち始めました。

その根本にあるのは影響力のある個人であろうと、匿名アカウントの書き込みであろうと大切なのは「口コミの質」ではないかと思います。

インフルエンサーと呼ばれる人たちが何をしているのかと言えば、自分が使った商品や製品、サービスについて自分なりの表現を用いて、未使用・体験していない人たちに対しての口コミを通しての「翻訳」です。

言い換えると「共通言語を持つ」でしょうか。

どうしても日々の業務を行う中で、「慣習」や「常識」「当然」という具合に、つい生活者を見ずに自分たちの都合や状況を優先して考えてしまいがちです。

自分たちの慣習や常識を前提にしたコミュニケーションでは、相手に通じないどころか情報が届かない可能性すらあります。

それを避けるために自分たちが「日々使用している言葉」を、生活者やお客さまに合わせる「翻訳」を行うか「共通言語」を持つことにより、意見交換や意思疎通を円滑に行える環境を整備します。

ボクたちシーエスレポーターズも、デジタルで可能なプロモーションを一気通貫で包括的に支援できるといっていますが、言葉の定義づけも含めて試行錯誤している最中、真っ只中です。

たとえば、「Webサイト」は自社の説明だけでなくサービス内容まで丁寧に説明してくれるものですので、いわゆる「営業」や「セールス」といえますが、人と違って雇用条件を提示する必要もなければ雇用契約を結ぶ必要もない「休みのいらない営業」といえます。

また「SNS」はネット空間に生活者が好き勝手に口コミを書けるツールであり、場所として捉えると、覗きこむことで「実際に体験した人への傾聴」や、応答するのであれば「対話」だといえます。

これらは別の言い方や、もっと的確な言い方があるのかもしれません。さらにいえば、業界によっては言い方を変えた方が響きやすいこともあるのかもしれませんので試行錯誤を繰り返していきますが、このように変換することを意識しています。

「お客さま」や「お客さまのお客さま」が、「(口コミなどを)発信しやすい状況」や「より理解しやすい環境」を用意することが円滑なコミュニケーションにつながり、その工程を支援することを事業の軸として設定しています

これがシーエスレポーターズが取り組むコミュニケーション戦略の一端だと思っていただければ幸いです。

決して容易ではありませんし、難易度の高いものでもあると認識していますが、各種サービスを通しステークホルダーをはじめ、関係を持っていただける方々とともにMaking The Fan/Funとなっていくこと、していくことを目指しています。

ぜひ、生活者との「共通言語の設定」や自社サービス・製品の「翻訳」を考えている企業さまはご相談ください!

コミュニケーションデザイン室
遠藤 涼介