シャッフルランチ

第三十三回シャッフル飲み会

僕にはお金がありません。
よってこのシャッフルランチという行いも
生活を蝕む脅威に違いないと恐れていました。
今回初めて参加となるこの行事がいかなるものだったのか、
ここに記しておきたいと思います。

会社から歩くこと2、3分だったでしょうか。
まさかお昼ご飯に行くなんて夢にもみていなかった、王将に到着いたしました。
僕が生まれ育った家庭では、王将は4年に一度オリンピックが開催される月にのみ
食べにいくことが許されるほんとうに特別な存在でした。

そんな夢の舞台、王将で僕は値段を見る暇もなく
ラーメンと餃子のセットを頼むという失態を犯しました。
つい最近までお小遣いがひと月あたりうまい棒3本だった僕の財布の中には
銅色の硬貨しか眠っていなかったのです。
そんな不安を抱える僕にはおかまいなしに、
見とれるほどに輝く醤油スープと
触ってもいないのに肉汁がにじみ出る餃子がやってきました。
お金もないのに、食べていいのだろうか。
ひといきの間、到着したセットとにらめっこをしていると
今回のシャッフルランチのメンバーである荻谷さんから、
金の心配ならするな。ここで食わなきゃいつ食うんだと
人情にあふれた言葉をいただきました。
その瞬間僕の心の鎖ははずれ、ものの数分でその全てをたいらげました。

これがこの会社で育つということか。
これが人間として立派になるということか。
食べ終わったあとしばらくは荻谷さんの姿を
つぎからつぎへとながれる涙で見ることができませんでした。

全員が食べ終わったあと、
貧乏であろう他のメンバー全員の食事代をおごっていました。
僕は将来こんな男になるんだと、胸に刻みました。

初参加となるシャッフルランチ、
一緒になったメンバーとともに学んだことは
人の金で食う飯ほどうまいものはないということでした。

by.土田